 2015年の年が明けて、すでに3ヶ月が過ぎる。弥生3月、いよいよ春の気配も漂い始める頃となる。3月の6日は啓蟄、啓は「開く」、蟄は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」の意味。 つまり啓蟄は、冬ごもりしていた虫が春の到来を感じて、草木が芽吹くと同時に地上へ這い出してくることを表した言葉である。春の季語でもある。 「春は名のみの風の寒さや」。早春賦の歌詞のように、春とは名ばかりで、まだまだ風が冷たく、寒さの残るのがこの3月、啓蟄は過ぎたものの寒暖の差はかなり大きい。この週末も雲が広がり、最高気温は10℃を上回るようだが、風は冷たく肌寒い。 そんな3月、2ヶ月の冬眠から目覚めた「のんび荘」を横目で見ながら、山麓公園辺りを散策してみれば、茶色の中の緑色が目に付くようになってきた。「繁縷(はこべ)」、「種漬花(たねつけばな)」等、小さな野草の花も見受けられる。ここの自然は、活動期に向って動き始めたようだ。
国内の政治を始め、諸々の不穏な動きにかなり不安な心持にさせられる昨今だが、当然のように繰り返す自然の営みのサイクルを感じるたびに、ホッとさせられる。これ以上この自然が壊されないことを祈りたいが、その自然環境を含めて、どんな社会と環境を次世代に残してやれるのだろうかと思いを馳せるこの頃、やはり、今を生きる大人たちの責任はかなり大きく重いものと感じる。 そんなことを考える私の頬を、何事もないように早春の風が撫ぜていく。この山麓が命のエネルギーで満ちるのはもうすぐだ。
◆ ◆ ◆ 〇写真 一枚目:妙琴ツツジ園で見つけた繁縷(はこべ)の花。まだ開き始めかな? 二枚目:やはり妙琴ツツジ園で見つけた、種付け花(たねつけばな)。これも開き始めと思いますが、小さくて見逃すところでした。 撮影日:2015年3月初旬 撮影・コメント:クロコ
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